隠居の独り言 64

昔の童謡に「いろはに金平糖金平糖は甘い、甘いは砂糖、砂糖は白い、白いはうさぎ、うさぎは跳ねる、跳ねるはバッタ、バッタは青い、青いはオバケ、オバケは消える、消えるは電気、電気は光る、光るはオヤジのハゲアタマ」誰もが歌った歌だが、最後のハゲアタマの部分が、とても気になる年齢になった。新聞報道によると、このほど東京理科大学の研究チームが、髪の毛を作る毛根を幹細胞から作って埋め込む実験で、何度も毛を生やすことに成功したという。一日も早く実用化して欲しい。完全消滅した毛根再生する技術の確立はノーベル賞ものだが花咲か爺さんには、まだ遠い先の話でそこまで命が待たない。若い頃のふさふさした黒髪が懐かしいが根っからの癖っ毛でクシも使わずに洗髪は固形石鹸だけの髪を苛めた報いなのか、最近は急速に砂漠化が進行した。薄毛はともかく、世の中は何と病人の多いことか、と実感するのは病院に行くと、多くの病人が待合室で根気よく順番を待つ風景には驚いてしまう。ボクは毎月一回の主治医の診察を受けて薬を頂くだけだが、でも人間が長生きするようになったのは病人が増えたからで、病院が混むのは当然。最近は予約制があっても待ち時間は緩和されても一時間は普通でさんざ待ったあげく診察時間は5分と掛からない。病院は儲かるだろうなぁ・と思ってしまう。俗に「四百四病」という。予防医学というのも盛んになったが何十年も体を使っていれば二つ三つの病を抱えているのが当たり前というもの、健康と云うのは一つの理念であるが実在ではない。つまり完全な健康の状態を理想としながら、不完全状態を宥めながら暮らしているのが現実であって、病気の一つも持つことこそ人間の健全の常態だとおもう。毛髪の濃淡も男の美意識の一つで少しは若く見せたい、カッコ良く見られたいのは、中高年の永遠のテーマだが、無駄な抵抗も空しく、歳取るごと見た目は落ちていく・・それでも年相応の品格は保ちたいと願っている。