隠居の独り言 75

先週NHK大河ドラマ西郷どん」は「薩長同盟」だったが、歴史の節目からいえば黒船来航を機に日本列島辺境の薩摩と長州が手を結んで中央の幕府を倒すのは必然の大河の流れで18-19世紀という時代は日本のみならず、世界各地が大きく変貌を遂げた節目の世紀だったといる。その世界に目をやると安土桃山時代にあれほど躍起に世界を制覇していたスペイン、ポルトガルの威光が薄れ替わってイギリスやオランダが世界中に乗り出してきた。これらの国の共通点は欧州の辺境で覇権を求めるなら海を渡って世界に向かうしかなく当然の成り行きだろう。江戸中期の16世紀のイギリスの人口は約600万人でオランダは僅か約100万人!因みに日本は3000万人。この小さな二つの国が性能の良い外航船を操りながら、世界の七つの海を制覇し、或いは過酷な奴隷貿易で、アジア・アフリカを植民地化して現地人からは搾取をし或いは香料や阿片取引で富と権力を欲しいままにした。日本では海に囲まれたアジア大陸の辺境でありながら徳川一家を守るためだけの禁教令と鎖国令によって独自の道を歩み始め、世界の発展から取り残される。残念だが日本人は世界のこびとになり現代も後を引く。歴史にオフは無いが、安土桃山期に海外に出かけた日本の朱印船南蛮貿易で東南アジア方面を駆けて多くの日本人町も出来ていたのに、これら全て含めて我が国を閉じてしまうとは何たる幕府の愚かな事よ!もし日本が鎖国をしていなければ当時の世界の中で経済、文明、文化等はヨーロッパ諸国を凌ぐ一流国で軍事力も鉄砲、大砲は世界に比べようなく持っていた。世界地図も大きく変わりアジアの植民地もあり得ない。日本にとって、アジアにとっても、どれほどの損失か、日本は素晴らしいが良きリーダーに恵まれないのが難点で、現代にも影響している。