隠居の独り言 76

幼児の虐待が相次いでいる。埼玉県草加市で生後8か月の長女を真冬の自宅トイレに20時間放置し、凍傷を負わせた幼児虐待は日常的に暴力を加え骨折も数か所あったという。子は親を選べず可哀相としかいいようのない残忍な事件だ。そんなに子供が嫌いなら、最初から産まなければと思うが、「うるさかった」「邪魔だった」「言うこときかない」虐待の親の共通した供述に、何とも救いようがない気持ちになってくる。最近とみに目にするのは虐待とまでいくかどうかの兆候に人前で子供に当たり怒鳴っている親達の何と多いことよ!親たちの大半は子を作る気は無かったのに出来ちゃった、親になるつもりは無かったが快楽に溺れて結果こうなった。以前に比べて無責任な親は格段に増えたのではないか?森羅万象生物は自然に委ねて雄と雌が合体し子を儲ける。生きとし生きる自然界の生物は確実に子を慈しみ育てる。人間もまた生物の一種だから自然体であれば愛し合った男女が子孫を残すのは当然の行いだが、他の動植物と異なるのは人間は自由気ままな意志で安易に恋に走る。人間は誰もが善意と悪意の両極を持ち合わせているが自分さえ良ければいいという勝手な未熟さが悲劇を生む。悲しいかな、子には親を選べない!世間は虐待した親を「人間ではない」というが、人間だから出来る所行であり、ふとしたキッカケで魔の危険性は誰も持ち合わせている。愛も恋も人間は自然を弄び冒瀆しているのではないか?「親になる資格が無い」と言うなら恋愛する資格が無い。異性を愛するのは親の資格とイコール子供を一人前の大人に育てあげることで、この世で最も大きなロマンで、そして最も難しい仕事であり人生を賭けた事業といえる。対して男女の快楽はこの世で最も易しい仕事でないか。それらの両極の抱き合わせが、人生の醍醐味であり、生涯を賭けてのロマンというもの、その辺りの倫理観と人生観をモノが豊かに育った今の若者に知って欲しい。