隠居の独り言 177

正月も半ばを過ぎたが正月三日を家で過ごして気付いた事は、ボクが子供の頃の正月の風景と随分変わったものと回顧する。当時はテレビやゲーム機など無く子供は家の外で元気に遊び男の子はベーゴマ、メンコ、凧揚げがご三家、女の子はお手玉羽根つき、縄跳びがご三家、他ビー玉、竹馬、独楽、竹とんぼ、雨が降れば家の中で、すごろく、カルタ、花札百人一首など子供の遊びに事欠かなかった。それでも遊びにはそれなりのコツや工夫があって一朝一夕に上手くならないので練習する。ガキ仲間の大将になるためには、練習と研鑽を重ねることが大いに必要だったが、その遊びの学習が手先の器用と脳の発達成長の糧となって子供から大人へ階段を登っていった。今の子供たちは社会が便利になった反面に学習する事柄が失われている気がする。テレビ、スマホ、パソコン、ゲームに夢中になり、手先や頭を使う事も無く外へ出ても仲間は無く機械を相手の遊びは友人との関係も希薄になってしまう。今の学校の先生もベーゴマ、メンコ、羽根つきは出来ない。教習にPCを導入するより手や頭の使う遊びを教えたほうが将来に良いと思うが古いのだろうか。世界中に誇ってきた日本の技術は元を質せば子供の頃の遊びから出たもので、その培われた土壌が失われる将来の日本が心配になる。鉛筆が削れない、林檎の皮が剥けない、針仕事が出来ない、今の親や教師に言いたいのは、せめて子供を育てる過程で何か得意なものを一つだけでも、身に付けてあげて欲しい。何でもいい。ベーゴマ達人でいいし、お手玉名人でもいい、人より秀でたものを一つ持つことが、自らの自信に繋がり勉強のみならず心を豊かにするのは自明で生涯の宝物は消えることは無い。親子で楽しみながらの日々の生活は、何よりの学習で強さと優しさを持てる人になるに違いない。言うは易し、行いは難しだが、それでもやってみよう。