神田明神

今年の初詣は昔は通った明神さまにお参りしました。
小僧時代はあの界隈にお得意さまや仕入先があって
よく出かけた思い出が多いです。明神さまは赤坂の
日枝神社と並んで「神田祭り」「山王祭り」として
江戸時代の創成期からあった二大祭りで有名ですが、
なんといってもお馴染みは野村胡堂の銭形平次捕物控。
「江戸は神田明神下、白い犬が寝そべって、少しばかり
どぶ板が腐った路地の裏の長屋、裏手の共同井戸の
主婦たちの井戸端会議がかまびすしい・・親分、大変だッ」
と、けたたましく飛び込んでくる八五郎の声。
若い頃読んだ銭型平次の「罪を憎んで人を憎まず」の精神と、
市井に暮らす庶民の人情話、全体に漂う江戸情緒の素晴らしさ。
いつかもう一度、ゆっくりと読んでみたい本である。