節分

harimaya2005-02-03

昔は「せちぶん」と読んだのだそうな。狂言「節分」
では節分の夜に隠れ蓑を着て打ち出の小槌を持った
鬼が主人の留守をいいことに女房にさんざん口説く。
女房は妻になると偽って、鬼の蓑、笠、小槌を奪って
「福は内、鬼は外」と豆を撒いたので鬼は逃げてゆく。
人は誰もが鬼と云う名の欲望を持っている。旨いものを
食い、女を抱き、金を儲け、憎いのは殺し、土地を広げ
欲望は人類の発展とともに、ますます大きくなっていく。
歴史をさかのぼれば昔は鬼を怨霊として単純に恐れた。
公卿が政権を取った時代は人を殺す死刑などなかった。
殺し合いが始まったのは源平の頃からで権力や土地を
争って心の中の鬼が大きな顔で住むようになってゆく。
21世紀の今の鬼たちの欲望も際限を知らず競っている。
この続く自然の大災害も人類の鬼への警告かも知れない。
今年の豆は心を込めて撒こう。