ドストエフスキー(1821-1881)

政権転覆の罪で死刑判決を受け白衣を着せられ柱にくくられて
目隠しされ、いよいよ銃殺の瞬間、太鼓が鳴り皇帝の恩赦で中止。
これは映画のドラマではない。実際に彼が革命サークルに加担して
経験した事実でその後10年シベリアに流される。彼28才の出来事だった。
その長く苦しい獄中での生活の経験が彼の思想を決定づけ作品に表れていく。
私の若かりし頃に「罪と罰」を読み感動したが主人公のラスコーリニコフ
金貸しの老婆を殺害して監獄に繋がれる作品は彼の実体験からきた名作だろう。
「あらゆる堕落の中で最も軽蔑すべきものは、他人の首にぶら下がることだ」
「人間が幸福なのは不幸を経験したからだ」 現代にも響く言葉に満ちている。
1881年の今日60才で肺気腫のため亡くなったが、スケールの大きい人だった。