愛鳥週間

harimaya2005-05-11

寒いころ不忍池を賑やかせた冬鳥たちもいまごろは
シベリアで繁殖期をむかえ卵を抱いているだろう。
今は都会で冬を越した山鳥たちも、ふるさとの山で
青春の歌声で賑しく囀り楽しい日々を過ごしている。
初夏の行事の一つに愛鳥週間があるが渡来する夏鳥
代表はなんといってもホトトギス。漢字では「杜鵑」
「不如帰」「子規」「時鳥」などあるが悲しい話がある。
明治の頃、俳人正岡常規は23歳で突然始まった喀血が
一ヶ月以上も続き死を覚悟した彼は「子規」と号する。
「鳴いて血を吐く不如帰」の詩に想いをしたのだろうか。
彼の俳句雑誌「ホトトギス」はこのようにして生まれた。
樋口一葉の最後の作品は、随筆「ほととぎす」であった。
作家はほととぎすの語感から哀愁を感ずるのだろうか。


ホトトギス ひねもす啼いて 夏が来る  虚心