別れの一本杉

harimaya2005-05-18

「泣けた 泣けた 堪えきれずに
泣けたっけ あの娘と別れた哀しさに」
戦後間もない頃の春日八郎のヒット曲だが
当時の田舎の様子は、長男以外は家を出て
都会に仕事を求めて働くのが通例だった。
集団就職上野駅に着いた童顔の少年少女が
それぞれの職場に散っていく姿が眼に浮かぶ。
故郷の地を離れ親兄弟や友人たちとの別れも
辛かったに違いない。淡い初恋も失って・・
病院や老人ホームで昔の歌謡曲を歌うとき、
その歌詞が嘗ての世相を反映されたものが
多く、歌うごとに当時の事を思い出されて
懐かしさについ、声を張り上げてしまう。
それにしても昔の歌のほうが良かったと思う。
歌詞の素晴らしさは、たとえようも無くいいし、
イントロや間奏の良さ、歌の高低の幅の広さ、
あの頃の歌謡曲は日本人の情感を最大限に表して
音楽の持つ哀愁的な芸術に一致した傑作と言える。