日米間に思うこと(4)

アメリカのいいところは過去の自国の過ちは過ちとして素直に認め、未来の国の戦略に
繋げていくフロンティア精神が失われていないのが素晴らしい。戦時下の在米日本人の
強制隔離の非を認めたし、いつの日か原爆投下や東京裁判などの非人道的な行為にへの
謝罪の言葉もあると信じている。アメリカ200年の歴史はインディアン狩り、奴隷制
他国への侵略、有色人種への迫害などあって、あまり褒められたものではないが、
最近の圧倒的な世界一の超大国になって、大分に物分りが良くなってきた気がする。
でも当時のアメリカは発展途上で、ロシアや清国との対抗上、日本を後押しした戦略の
一環で必ずしも日本一辺倒で付き合ってくれたわけではない。今にして思えば日清日露
の戦いは米英対ロシアの覇権争いの代理戦争の役目を日本が負っていたのかもしれない。
戦争の過程や詳細は省くが、ともかく日本は国を挙げて清国と戦い、ロシアに辛勝した。
明治38年(1905)には当時の世界最強のロシア海軍バルチック艦隊日本海
迎え、その殆んど殲滅したが、その時点で日本の経済は国家予算の8年分を使いきって
それ以上の戦争続行は不可能で、そこでタオルを投げてくれたのはアメリカだった。
ロシアはまだ余裕があるために停戦協定は難航したが、戦争そのものは日本が勝利して
いたので南樺太を譲渡することで決着し、アメリカによって日本を破滅から救われた。
戦争を陰日なたなく応援してくれたイギリス、タイミングよく有利に交渉してくれた
アメリカ、その恩人とも言うべき二国を、其の後の日本の無能な政治家が裏切っていく。