景気と人口(5)

日本の産業、とりわけ製造業の技術とノウハウは多くの分野で世界一を誇っている。
世界の何処の国のあらゆる産業も日本の工作機械と部品が無ければ成り立たない。
例えば中国がどんなに威張ってみても工場の機械や製品の部品は日本製が圧倒的で
技術開発力もなく単に安い人件費を提出しているに過ぎない。北京オリンピック
目当てに北京、上海間で新幹線を建設中だが車両からレールまで殆んど輸入品だ。
日本が新幹線を敷いたときは全てが日本だけの技術で高速鉄道を完成させたことを
較べれば日中間の圧倒的なものづくりの匠の世界は、雲泥の差と言うべきだろう。
データから見ると日本のGDPはアメリカに次いで2位だが、3,4,5位の独英仏の
合計より上でアジア全体の60%を占め日本経済がいかに強いか自信を持つべきだ。
貿易収支は何十年も黒字続きで最近では日米間の知的所有権さえ日本が勝っている。
それなのにどうして不況感が漂い失業者が多くホームレスが増え続けるのだろうか。
他業種、同業種を問わず勝ち組負け組みの二極分化が鮮烈になり合理化のもと背景に
あるのは生産性の向上とコスト削減のあおりで人手が必要でなくなったからだろうか。
富める日本も企業が強くなった反面、負の部分も現れて弱肉強食の世界になっている。
給与体制、年金、福祉、税制、少子化対策など政治に課せられた問題は待ったなしだ。
先日発表された「経済財政白書」は団塊世代の退職期と人口減のもたらす日本経済の
影響を分析しているが人材の安定的な質向上などで好景気を保つことが説かれている。
日本の曲がり角は世界の曲がり角だ。    了。


Ps 明日より旅に出ますので、しばらく休みます。