長寿社会(7)

先日、財務省から発表された2003年度の日本の財政の連結決算によると
資産は840兆円で負債が1080兆円になっている。そのうちの資産の部は
建物や道路の不動産、地方自治体等への貸付金などが多く、一般会計では
資産が227兆円、負債が515兆円の債務超過で民間会社なら破産している。
しかも単年度でも31兆円の財政不足で慢性的に赤字が増え続ける状態だ。
問題なのは政治家も一般国民も危機感がまるでなく、現在が日常の生活に
何の不自由も感じない時代は、なにもくよくよする事はないじゃないか、
圧倒的多数の国民が考えていることの楽観論がとても恐ろしい気がする。
昔の勤勉な日本人の感覚はどこへ行ってしまったのだろうか。ラテン的な
アスタマニアーナのどうにかなるさの考えが蔓延して無計画な自堕落さが
借金地獄にも気がつかないことになっているのだろうか。ラテンといえば
メキシコもアルゼンチンも国の財政が破綻して、公務員の給料も払えずに
一般庶民はインフレに苦しみ、一部のお金持ちは外国に貯金をしている。
自国の通貨を信用できないのが国の破産の惨めな部分であると考える。
日本もいいかげんに気がついて立ち直らないと、やがてくる長寿社会を
実のあるものにするには、すぐにでも痛みを恐れずに公務員等人件費の
経費削減とそれに伴う増税、老人へのサービス低下も仕方ないだろう。
先の総選挙で三分の二も取った与党なら出来るはずだ。今までに慣れた
贅沢を少し詰めればいい。要は国民一人一人が危機意識を持つことだ。