内憂外患(3)

最近の日本人の食べ物を粗末にする習慣にはあきれるが、いつも気にする
問題で「食料自給率」がある。現在は約40%で先進国の中では最低らしい。
けれどそれはカロリーベースから換算したもので金額ベースだと70%にも
跳ね上がる。しかも米や畜産は政府から保護されて飼料なども計算に入って
いるから余計に数字が低くなる。外国の食料が安いから輸入するのであって
国産品で充分に賄えるチカラは備えているので何も心配する事はないと思う。
大人一人2000カロリーで充分なのに消費されている食料は2600カロリーの
計算になっている。つまり600カロリーが毎日捨てられている勘定になるが、
その金額はなんと年間約10兆円! ネズミ、カラスが増えゴキブリが集る。
飽食もいいかげんにしてもらいたい。無駄をなくせば食料輸入など要らない。
しかも年間の医療費と同じだというから、その膨大さにはあきれてしまう。
和食のいいところは美味しいのは勿論だがカロリーが少なく健康のためには
最も良く世界中でもてはやされて日本文化の誇れる傑作のひとつなのだろう。
私のように戦前育ちには食べ物の有難味は、骨の髄まで染みとおっているが
日本人の特有の「もったいない」の美徳はどこへ消えてしまったのだろうか。
いつも何でも食べられるなんて想像も出来なかった飽食の時代は、かつての
餓えた時に較べて夢のようだが、今の人はその幸せを噛みしめてもらいたい。
食のエネルギーの無駄をなくすためにも、せめて食べ物の好き嫌いをしない、
少なめに作る、食べ残しはしない、の三原則はぜひ守って欲しいと思う。
健康と長生きを約束してくれる。