内憂外患(14)

明日から日朝政府間交渉が始まるが、相変わらずの北朝鮮が強硬路線で
迫ってくるのであれば即座に席を立つべきだと思う。拉致問題は解決の
見通しが見えないが、先月の6カ国協議で合意された共同声明のなかで
「懸案事項の解決」というわけの分からない条文に盛り込まれている。
今回も「日朝平壌宣言に従って不幸な過去を清算して懸案事項を解決
することを基礎とする」としているが人権とか、拉致とかとの言葉の
一つも入っていないのは北朝鮮側の不誠実、としか言いようがないが、
それにサインする外務省や政府はなにを目論んでいるのだろうか。
しかも北の核全面放棄の条件に他の五カ国がエネルギー支援を約束したと
あれば日本が単独で経済制裁をしても効果はあまり期待できそうもない。
政府の高官が拉致家族に対しては問題解決なくして正常化はありえない、
というのであれば6カ国協議の席で正当な要求を何故出来ないのだろう。
被害者の全員帰国と拉致実行犯の引渡しを要求する前に国交正常化後の
経済援助の甘い話をする事自体が外交のイロハも知らないと言わざるを
得ない。北朝鮮は「拉致は解決済み」と言っているのだから向こうから
歩み寄るとはとうてい考えられないから、こちらも歩み寄ることはない。
放っておけばいい。拉致被害者の方々には気の毒だが日朝正常化交渉は
けっして急いではならない。遅くなれば困るのは相手のほうで、今まで
合意や約束事を破ってきた北の正体をじっと見守っていればいい。
新小泉外交に期待する。