隠居の独り言(155)

孫が聞いた「お爺ちゃん、ムカシ日本とアメリカが戦争をしたんだってねぇ」
聞かれるまでもなく敗戦の日は遠くになったものだ。今年の春の沖縄旅行でも
ガイドの説明する「ひめゆり部隊」の説明にも殆どの人が聞いていなかった。
私が生まれた年に日本は国際連盟から脱退し4歳の時に盧溝橋事件で日中戦争
小学校一年生のとき日独伊軍事同盟、二年生の冬に真珠湾攻撃して米英に宣戦、
六年生の夏に玉音放送を聞いた。思えば戦争っ子みたいな少年時代だったが
日本が戦争に負けた悔しさはあっても当時の世界的な膨張主義植民地主義
流れで戦争は避け難く日本だけが悪いとは思わない。私は歴史の本が好きだが
どの書物も勝者の立場で書かれたものが多く、勝てば正義で負ければ卑怯者は
古今東西同じで、人間の根っこの部分の競争心理の表れなのだろう。先の大戦
例えば、中国国内の日本軍による被害死者3500万人、南京事件虐殺30万人の
出鱈目も既に一人歩きして信じる世界の人々も多くなっているが、被害妄想も
過ぎてあまりオーバーに数字を作り出すと中国はそんなに弱いのかと世間から
軽蔑されるから下手な田舎芝居はやめたほうがいい。正確な歴史認識がほしい。
中国も戦後間もなくは指導者も立派な見識を持っていた。蒋介石総統は吉田茂
「謝ることはない、日露戦争のお陰で我々は助かった」と賠償も請求しなかったし
田中角栄毛沢東に謝罪した時「日本の攻撃なければ蒋介石に勝てなかった」と
語った。それが最近になって何故古傷を逆なでするような中国の政策なのだろう。
軍事と経済の拡張を続ける共産国家は、内部に貧富の格差や民族間の紛争などを
抱えその矛盾を和らげる意味にも、えげつなく他国を恫喝して虚勢を張っている。
孫子兵法の一つに「戦わずして勝つ」があるが、その戦略は絶え間なく恫喝して
相手を怯えさせるものだが、それはヤクザと変わらない。日本は心すべきだ。


ps明日より、しばらく江戸を留守します。