花散らしの雨

harimaya2007-04-05

東京は19年ぶりの4月の雪が降って
雷光一閃の嵐は一気に花を散らせる。
百人一首「久方の光のどけき春の日に
しず心なく花の散るらん」は紀友則
作だが、ついこの前に開花宣言を聞き
ひと雨降れば散り急ぐ訳はどこにある。
春宵一刻値千金とはよく言ったもので
桜の花の命は実に短く四季の移ろいを
せかしているようで哀れな気もするが
木の下では薄ピンクの絨毯に染まって
春の盛りの色どりを添えている。
桜の散る潔さは武士道にもたとえられるが
もっと長く美しい姿を見せてくれてもいいのにと感じるのは自分だけだろうか。
過ぎ去った青春時代の楽しかった日々や哀しかった日々が花の散るさまを見て思う。
「さまざまな ことおもいだす さくらかな」  芭蕉