渡り鳥

harimaya2007-11-02

晩秋から初冬にかけて不忍池では
大勢のお客さんで混雑してくる。
シベリア方面から厳しい冬の寒さを
逃れて各種の渡り鳥が、ぼつぼつと
増えたのは冬が近いと告げている。
森鴎外の小説「雁」は不忍池の傍の
無縁坂を舞台に高利貸しの妾「玉」と
東大医学生、岡田の淡い恋物語だが
玉は無縁坂に面する家の二階窓から
通学で下を通る岡田に憧れ、岡田は
窓に見える玉に恋し、言葉を交わしたのは唯一度だけ、恋心を秘めて勉学のため
欧州に旅立つ。不忍池は遠い昔の恋物語を今も情緒ある風景に雰囲気を漂わせている。