隠居の独り言(441)

接待ゴルフ漬けになっていた守屋武昌・前防衛事務次官から始まった疑惑は
老舗防衛専門商社「山田洋行」から独立した元専務の逮捕と発展しているが
大正3年(1914)に起きたシーメンス事件では今回と同じように軍艦の建設を
めぐる同社と日本海軍との贈賄で内閣総辞職にまでなったのに酷似している。
いつまで経っても断ち切れない談合・贈賄・天下りは政治的な制度に問題が
あるのではないか。それとも聖徳太子の時代から根付いてきた日本の文化の
根の話し合い主義から来ているのではないか。官僚のトップは事務次官だが
これは一人しかなれない。公務員制度にも問題があるが誰かが次官になると
同期の官僚は勇退することになっている。勇退させられる官僚達から云えば
同期が事務次官になったばかりに辞めなければいけないのは辛いものと思う。
そこで官僚が考えたのは解決策として関連業界に顧問として迎える仕組みを
作り、これがいわゆる天下りだが関連会社にとっては得意先の官庁の仕事を
今まで同様に受注するためには官との人脈を太く長く持ち続ける事が大切で
元官僚の地位が高ければ高いほどその価値が上がろうというものだ。まして
防衛産業は外国との関連、特許、秘密の保持など規模も大きく特定の企業が
多いのが現状だが問題は随意契約で価格がサジ加減でどうにもなってしまう。
資料によると毎年100人前後の防衛省OBが「山田洋行」を含む関連業者に
天下りして同社では社員数の8,9%に達するという報告を政府は受けている。
安部内閣の公務員改革で多少は改正されたが根本的には大して変わらない。
天下りはかつて日本が貧しく大学を卒業した人が少なかった頃は経験豊富で
優秀な人材を民間が必要な時代は官から民への有効な制度だったのだろうが
大卒が8割を超えた現代にその制度は不必要だ。弊害を絶つ手段は天下り
受け入れた会社や贈賄に関った企業は絶対に二度と入札参加をさせない事!
弊害ばかりのものはもう沢山だ!