富士遠望

harimaya2007-12-18

「真白き富士の高嶺」は冬の富士山を
詠ったものだが、甲府盆地から眺める
山は北富士なので、真冬なのにあまり
白くないのは強い北風に雪が飛ばされ
荒々しく映り、返って自然の厳しさが
迫ってくる感じがする。甲斐の国は
その名の示すように、山峡が織り成す
地形は農業の生産性も少なく、かつて
武田信玄が、風林火山の物語にように
平地や海を求めて覇を競った気持ちが
分かるような気がする。でも素晴らしい風景は、江戸時代に歌川広重「富士三十六景」や
葛飾北斎富嶽三十六景」に描かれて広く世界に渡り、彼の芸術家達に影響されていった。
駿河から見る秀麗な表富士に対して甲斐から見た裏富士はごつごつした山肌を見せ付けて、
その美しさと迫力は、また格別だ。