隠居の独り言(484)

自分が育った頃の昭和前期の時代に比べて何と贅沢な現代の食生活なのだろう。
中国のギョーザ問題は日本中を震撼とさせたが、被害に遭われた方にお見舞い
申し上げるとして、あの事件は起きるべくして起こったものだと思っているし
却って我が国の食に対しての人々の考えを、この事件を機に変えさせてくれた
絶好の出来事だと思っている。そもそも今の日本の食糧自給率が4割を下回り
外国に依存する体質を変えないとやっていけない事を国民一人一人が自覚して
今まで通りの安価なものでは食の安全を確保出来ないのを知るべきだ。しかも
輸入された食品の3割が食べ残しや賞味期限切れで廃棄処分されているという。
地球上の約3割の人が飢えに苦しみ衛生の悪いところに住んでいるというのに
日本人の食べ物に対してなんという傲慢さ、恥知らずは天罰が当たる気がする。
食べ過ぎてメタボに悩む人、飲みすぎてアル中になった人、TV等で大食いの
競技大会など見ると腹立たしく情けない気がするが、人間の生きる最も基本の
食べる幸せは、なにも腹いっぱいに食べることではなく働いたり遊んだりして
お腹を空かせるのが一番ではないか。今は野菜でも魚でも季節問わず何時でも
店頭に並んでいるのは、コストを掛けた栽培技術の発達や輸入に頼るところが
多いが、この度の事件を教訓に我が国の食料自給率を高めるように官民一体で
努力してみよう。安価のためにのみに外国に依存するよりも食料に関しては
食べるものは100%日本人が生産者であり日本人が調理したものを食べたい。
地方の活性化が叫ばれているこの時こそ知恵が求められるが疲弊した農村を
立て直すためにも若者が戻って欲しいし、日本民族特有の清潔さを誇っている。
コストのみを求めて「勿体なさ」を忘れた私達に神様からお灸を据えられた。
美味しいものを腹八分目、健康がなによりだ。