隠居の独り言(486)

小学校の学年末になって何かと子供も親も気ぜわしい。卒業式や謝恩会など
気苦労も多いが、話題になるのはどこの子供がどこの中学校へ進学するのか、
話しを聞くたびに公立の先生達の教育に対する力量や熱意がとても歯がゆい。
東京杉並の某区立学校で大手進学塾講師による特別授業が始まったが有料で
実施するというので教育の機会均等の観点から反対意見が出ているそうだが
裏を返せば公立学校の教師の力量の無さを晒しているようでとても情けない。
機会均等というなら塾へ通わなくてもいい生徒の教育に熱心になって欲しい。
「教師は授業で勝負する」言われるように教師は教育の“プロ”なのだから
子供を塾へ通わせなければ良い教育と進学を望めないなんて恥ではないか。
教師を採用するには一次にペーパーテストがあって合格者に二次の面接だが
熱血先生を探すには面接が先で魅力ある人物を見つけてペーパーは後でいい。
現実に先生のための「教師力養成塾」があって、現役の教師が塾の講師から
授業のノウハウを習うケースが増えてきたという。声の出し方、板書の仕方、
効果的な叱り方、褒め方等々を、教師としての基本を改めて塾の講師の語る
様々なノウハウに耳を傾けているという。塾に通う子供たちに聞いてみれば
大半が学校の先生よりも塾の先生のほうが勉強が面白く覚えやすいという。
子供のためを考えれば学校が塾の力を借りるのも意味が無いとは思わない。
思うには進学塾は民間そのもので生徒が集まらなければ経営が成り立たない。
だから経営者も講師も必死だ。公の機関では競争意識が無く時間さえ働けば
給料が得られるのは学校も同じだが、授業時間は「ゆとり教育」以前の6割、
土曜祝日は休み、宿題は出さない、イジメの問題、学級崩壊もなすがまま、
真に子供を教育しているのは学校の先生か塾の講師か、どちらなのだろう?
昨年施行された教育基本法の理念とは相当にかけ離れた教育現場を政治家は
知っているのか。塾頼みの風潮をとても憂える一人の老人だ。