隠居の独り言(512)

土浦市の8人殺傷事件やJR岡山駅の殺人事件の通り魔的な犯人の言う供述は
共通して「人を殺してみたかった」これは正常な精神構造を遥かに超えている。
内的な病気以外に考えられない異常な行動を彼らは突っ走って破滅に向かった。
精神科医でもない自分がとやかく言う資格は無いが、原因が生まれつきの性格か、
成長の過程で環境やイジメで孤独の環境に閉じこもり袋小路に入ってしまったか、
はたから見れば何とでもいえるこの事件だって身の回りにそんな人がいないとも
限らない。人の心は見えないし自己防衛にも限界がある。東京文京区では事業に
行き詰った経営者が家族を殺傷した事件も、普段は人に優しく分別のある人物が
どうして突発的に恐ろしい暴発をしてしまったのか。事業をしていれば破綻する
やむをえない事情が多々あるが、事業主は耐えること、再出発の道を探ることが
常道なのに彼はあえて家族も巻き込む破滅の道を選んだのはどうしてなのだろう。
先日もバスの中で携帯電話で話しをしている者に注意した人が逆に殴り殺された。
その他親族の殺人、幼児虐待、これらの事件の連続が最近の世相と言ってしまえば
それまでだが自分が生きてきた長い間にも現代ほど人心の荒れた時代は無かったと
言って過言でない。最近の若人(中年も含む)は刹那的にキレル精神構造が多いが、
世相が悪いのか、育った家庭環境が悪いのか、我慢する気持ちや社会のルールに
合わせることが出来ない。誰がいけない、悪いというよりも他人にも親切で慎みの
ある日本人特有のDNAが変化したのではないか。世界の中で最も治安の良かった
この国が「沈みゆく日本」の前兆としか思えない。