姫路城(2)

harimaya2008-06-06

中学3年生の時に担任の先生が啄木の
「一握の砂」歌集を貸して下さったが
今のようにコピー機も無く多くの歌を
鉛筆でノートに書き写したが、今でも
そのうちの何首かを諳んじている。
石川啄木は生活に恵まれず僅か28歳で
結核で世を去るが、故郷の追憶と懐郷に
込められたロマンティックな歌の数々は
今なお自分の心の拠り所になっている。
読んで最も好きだった「こずかたの、お城の跡の草に寝て空に吸われし十五の心」は
あの頃の自分が上京を控えて感慨に耽った15歳の胸の内を啄木の歌と重ね合わせて
城内の草むらに寝転がって空を見上げていた少年時代を想うごと懐かしさに熱くなる。
何度見ても感動を覚える姫路城だが、感動を故郷に持てた自分がとても誇らしい。