帽子

harimaya2008-07-11

小さな帽子製造会社を営んでいる自分だが平成に入り
帽子産業の斜陽化は著しく絶滅寸前の動物のようだ。
若い頃は帽子が売れたものだが最近は被らなくなった。
かつては気のきいたレストランやホテルのロビーには
スタンド形の帽子掛けが置かれてあったが、こちらも
すっかり見かけなくなった。昭和のはじめ頃は男性の
ダンディの象徴で上野・浅草の繁華街の写真を見ると
着物は和装でも頭は中折れ帽子や鳥打帽の思い思いの
帽子を被っていて無帽の人を探すのが難しいくらいだ。
あの頃の最高級品の帽子はイタリア製ボルサリーノで
アラン・ドロンが出演した映画にもなってヒットした。
値段はサラリーマン月給二か月分もしたそうで当時の
男性の服装のお洒落に対する関心の高さが伺える。
被らなくなったのは日本だけでなく世界的なもので
洞爺湖サミットでも各国首脳も誰一人被っていない。かつて紳士は山高帽と燕尾服が定番だったのに・・
最近はご婦人が被っておられる方が多くなったのは喜ばしいかぎりだがブームがいつまでも続くことを
男性の目から、そして一業者として願っている。