隠居の独り言(561)

最近の政界で煙草の値段を1箱1000円にしようという話しが持ち上がっている。
公共の場所での禁煙が進み、会社や家庭でも室内禁煙、部屋は分煙など愛煙家には
逆風が吹きつける世の中だが、実際に煙草は健康に良くないというデータが次々と
発表されている。喫煙している人だけでなく、他人の煙を吸ってしまう受動喫煙
心疾患や肺ガンになるリスクは喫煙者の病気になる率の30%にもなるというから
無理心中の被害者のようなものだ。はたして1箱1000円の効果はどうだろうか。
今より3倍の値段になれば禁煙する人が増えて税収がむしろ減るのではとの意見と
それでも喫煙者の半分が止めても数兆円の増収が見込まれるとの意見が分かれるが
どちらにしても喫煙に伴う医療費の経済的損失は10兆円との試算もあるし火災の
原因の一割は煙草の火の不始末とかで1箱1000円の議論はなかなかに奥が深い。
自分は19歳に吸い始め49歳で止めるまでの30年間の長い喫煙の経験があるが、
禁煙をして25年以上が過ぎたので身体の中のニコチンは駆逐されたと思っている。
若い頃は指の間に煙草を挟む格好に憧れてそれが男のスタイルだと今にして思えば
阿呆なこだわりを持ったものだが、それでも飲食の後や、考え事をしているときは
実に美味しいもので健康や環境に影響がなければ、もう一度嗜みたいと思っている。
禁煙当初の禁断症状の辛さは言葉に尽くせないが、よくぞ縁が切れたとホットする。
でも今に至っても多少の心残りがあるのはやはり煙草は麻薬としか言いようがない。
世界の煙草消費量上位5カ国は中国、米国、日本、ロシア、インドネシアの順だが、
喫煙率で5カ国を比べると日本人は高く特に男性はトップの数字が表示されている。
未成年の喫煙を無くそうと自販機の成人認証タスモカードとかの小手先の政策より
思いきって1箱1000円にするのが一番の処方箋ではないか、値上げ案は大賛成だ。