春秋の争い

暑くもなく寒くもなく空気も爽やかで
この季節は何をするにも快適そのもの、
「一日千秋の思い」の言葉も一年間を
代表する日を実りの秋に重ね合わせた。
一年のうち二つの季節を選ぶとしたら
大抵の人は春秋が好きだろう。歳月が
経る事を「春秋長ず」「春秋高し」と
年齢の高い人の経験や人格を指した。
「春秋に富む」といえば若い人たちの
残っている人生の長さを云うのだろう。
春と秋のどちらが勝つかという「春秋の争い」の、たわいもない争いがあるが、
中国には秋の兄と春の弟が一人の女性をめぐって争う物語があって、この時は
春の弟が成功するが、日本は錦といえば錦秋で中国の錦は春の花であるらしい。
春秋に心を惑わせるのは日中共通だが、それぞれの美意識が違うのも面白い。