隠居の独り言(610)

11月11日の産経新聞は「アパ」の一面広告で、前航空幕僚長田母神俊雄氏の
懸賞論文の全文を載せているが、つぶさに読んでみて戦前戦中から戦後の日本の
流れを彼の主観から見て書いたのだろうが、おおむね間違っていないと感じた。
「我が国が侵略国家だったというのは濡れ衣」との主旨は戦前の我が国の立場を
述べているが、朝鮮半島満州・台湾等の統合時代の日本の思い入れや功績など
西洋列強の植民地統治との違いを詳しく語り、日中戦争から太平洋戦争にいたる
中国やアメリカの日本敵視の策が戦争に突入せざるを得ない理由が書かれている。
航空幕僚長はその論文がもとで更迭され、参院外交防衛委員会参考人として
更迭の経緯や文民統制に関する質疑が行なわれたが田母神氏の発言はあらかじめ
制限され質疑は懲戒処分にしなかった防衛省の責任ばかり集中したのはおかしい。
肝心なのは現在の日本人の持つ歴史観であり安全保障の政策論を何故しないのか。
おりしも今月は連合国が敗戦の日本を裁いた極東軍事裁判判決から60年目だが
この裁判で日本が侵略国家の烙印を押されて、東条英機ら7人に死刑に処せられ
16人に終身刑が言い渡されている。学問的な検証もされず盧溝橋や南京事件など
一方的な認定で裁かれた。百歩譲って日本軍のした事が悪いのなら日本各都市の
爆撃や原爆投下で何の罪の無い一般の人を大量に殺したアメリカの罪は何だろう。
喧嘩は両成敗のはずだが、しかもその時受けたGHQのマインドコントロール
戦後半世紀以上も経た現在でも政界や教育界は呪縛から覚めず今回の国会質疑も
くさいものには蓋の感じは常識的にも異常としか思えない。戦前の日本の歩みを
冷静に見つめる事が何故いけないのか。戦前に生きた一人として日本の価値観を
誇りに思う自分だが今の若い人が日本人としての自信を高めて欲しいと切に願う。
もちろん戦争を美化するのはいけないが戦後の教育の自虐的な歴史観から解けて
正確に20世紀の戦争史を質すことが将来にとって重要な事だと思うのだが・・