隠居の独り言(705)

衆議院議員の任期が9月10日の迫っているのに何故ここにきてまで与野党
バタバタしているのか分からない。そもそも解散の意味は世相の変革で議会の
機能が果たせず国民に信を問うためのものであったはずなのに、いつのまにか
政党の勝手で行なうのが通例になっている。周知の通り衆院の任期は4年だが
選挙をするたびに膨大な費用を要する。僅か4年の期間を全う出来ない議員を
国民が選んでいたとすれば選挙公約とは何なのか?僅かに任期二ヶ月を残して
与党は「麻生おろし」で揉め、野党は即選挙と騒ぐ。実に国民を愚弄している!
だいたい都議選の7月12日は与党の公明党にとって学会信者の近衛師団多数が
東京に集結するので衆院まで手が回らない。都議選後になるのは自明のはずだ。
麻生太郎首相がなすべきは日本の将来についての全体像を具体的に示すべきで
この期に及んで役員や内閣の改造など小細工はやめ現体制で堂々と戦うべきだ。
ドタバタ騒ぎの象徴的なのは先週、自民党古賀誠選対委員長が宮崎県知事の
東国原英夫に選挙への出馬を依頼したら「党総裁候補にするなら」との条件に
自民党内のみならず世間も思いがけない彼の言葉に騒がしくなった。その次に
橋下徹大阪府知事も乗って自治体の首長達でグループを作り支持する政党を
表明するとぶち上げたが、ご両人に言いたいのは多少の知名度があるからって
のぼせているのではないか。マスコミも軽乗りをしている気がしてならない。
現総理の麻生太郎のようにオバマ大統領を始め各国の首脳と通訳無しで国家の
戦略を語れることが出来るか。政治経済の難局を共に切り開いてくれる盟友と
国民の支持をどう考えているのだろうか。今までの歯に衣着せぬ発言や行動に
少なからず喝采したものだが所詮はタレントの域を出ていないことに失望する。
政界の嵐の前の胎動の時期は外野にとって面白いが今年の夏は余計に暑くなる。