七夕

harimaya2009-07-08

織姫と彦星が一年に一度の逢瀬を楽しむ
天の川はいつも梅雨時の雲で見えないが
新暦なので仕方ない。川のように見える
数億を超える銀河の姿にまつわる行事は
遠い昔に中国から伝わった悲恋の物語で、
一年に一度の逢えない哀しい二人の話が
日本にもたらされ1000年以上過ぎても
その年数だけ逢っていたのだから幸せだ。
「荒海や佐渡に横たう天の河」と謡った芭蕉は、天の川伝説から本土と佐渡の海を
天の川と見なし佐渡へ流刑されて金山で働かされた辛い囚人の深い悲しみと絶望の
気持ちを思いやってせめて年に一度だけでも切ない望郷の思いを叶えようと詠んだ。
伝説もまた哀しいが、現代では子供たちが短冊に幼い手で願いごとを書き、家族で
織姫の紡ぐ糸に似たソーメンに舌鼓を打つのも、忘れていた平和の嬉しさを思う。