隠居の独り言(715)

休日は大阪城に孫と遊んだが、この天守閣は昭和になって建てられたもので
天正年間の木造天守閣でなく鉄筋コンクリートの永久性をもつ記念建築物で
今は大阪のシンボルとなっている。外観的には秀吉が建てた当時の天守閣の
桃山形式の煌びやかな城郭のイメージにあわせて建築されたというが内部は
展覧会場のようでエレベーターで登るに至っては一般のビルと変わらない。
城を見て思うことは新築された時の豪華絢爛さは、どんなものだったのか、
総檜の木の香り、狩野派の金の襖絵、欄間の彫刻などなど、想像を絶する・・
摂津平野のどこから見ても権力の象徴たる城郭の大きさに圧倒感を覚えた。
今は内堀だけだが、大阪夏の陣将兵10万人が生活したという広大さは、
北は淀川、南は住吉、東は大阪湾、東は生駒までというから規模は凄い。
得意満面の秀吉の顔が見えてくるようで日本一の幸せを味わったに違いない。
秀吉(笹野高史)という男は、よほど運が良かったとみえ天下統一の時期に
全国から金銀が大量に発見されて貧乏くさかった日本がにわかに世界屈指の
金産出国になったといえる。ために秀吉は産出された金銀を惜しみなく使い
家臣を増やし大名を臣従させ天下を安定させた。日本経済も全国津々浦々に
産業が栄え物流が盛んになった。大阪が栄えた豊臣期は長い日本史の中でも
最も人々が活気に満ちて潤っていた時代ではなかったか。ドラマ天地人
秀吉の命で各大名の妻子を人質として大阪に住むよう条例が発せられる。
景勝(北村一輝)は菊姫比嘉愛未)に上洛を勧めるが菊姫はそれを拒否、
お船常盤貴子)は菊姫を察し説得することを約束する。一方、大阪では
秀吉の晩年が若い時とは人が違ったように老醜漂う人間に成り果てていた。
朝鮮戦争、養子秀次の抹殺、諌めようとした千利休神山繁)は反逆罪で
屋敷に監禁されていたが口惜しさを、お涼(木村佳乃)は兼続に吐露する。
二日後に利休は切腹するが、納得できない兼続は三成(小栗旬)を訪ねて
問い詰める。太平の世のためにやむを得ないと言う三成に兼続は疑問を抱く。