隠居の独り言(720)

瀬戸内寂聴の「現代語訳・源氏物語」を読んで、主人公の光源氏が恋する
年上の女性の多さに平安の昔は女性上位の時代だったのかと思ってしまう。
最初に恋した藤壺は5歳年上、正妻の葵も4歳年上だがそれに飽き足らず
愛人の六条御息所は7歳も年上なのに驚いてしまう。光源氏の年上好みは
要するにマザコンなのか?平安から平成の世に時代が変わっても、例えば
スポーツ選手の奥方は年上の人が多いし、大河ドラマ天地人妻夫木聡
兼続が5歳年上の姉さん女房・お船常盤貴子)との夫婦が評判いいのは
男女共に求める「愛」の変化なのだろうか。某新聞の記事によると最近に
婚活で結ばれるカップルは女性が年上の場合が増えている。それが記事に
なるということは今までは女性が年下の夫婦が圧倒的に多く、そのほうが
自然であると考えられていたからで、その理由は言うまでもなく経済的に
男性は妻子を支え他の点でも導く事が出来る存在と認められてきたからだ。
長い間続いてきた封建時代の思想は、女性はあくまで男性の所有物であり
女は男に仕え男に優しく接するのが役割であり美徳とされた時代であった。
今や時代が大きく変わりつつある。変わるというより本来の男女の自然な
姿に戻っているのではないか。男には瞬発的な強さと力を発揮は出来ても
持続力には欠ける。偉大な母は女の特権だ。男女の平均寿命の差は7歳で
それにくわえて今の熟年夫婦の大半が男のほうが6-7歳年上である現実は
妻が15年の未亡人生活をしていることになる。そこで思うのは多数派の
中高年の妻たちは先の短い夫をより大切にすること・・夫が元気なうちに
旅行なり趣味を通じて二人で行動を起こすこと・・日本の夫婦は歳を取り
マンネリの生活に浸かっているのか、二人で老後を楽しむことを知らない。
そして意外にお金を使わずに老後の心配ばかりをしている。折角の人生だ!
老後と言わず今二人ですぐ出かけるべきだし、年寄りの明日は分からない。
二度とない人生を悔いないために行動しよう!