隠居の独り言(759)

先週で「事業仕分け劇場」は終わったが、政府はうまい事を考えたものだと感心する。
連日のようTV放映を見て国民は溜飲を下げる思いはしただろうが、果たしてこれで
良かったのか。小沢一郎鳩山由紀夫献金問題も影薄く未だ内閣支持率の高いのは、
現代版「大岡裁き」の影響なのか。わけ分からない公益法人や無駄な経費が多過ぎて
闇の中で天下りとやらの官僚の悪の温床を表に曝け出しただけでもヒットといえる。
成果が見込まれない事業はやめる、効率化に向けて組織のあり方を考える趣旨はいい。
でもそのやり方は弱いものいじめみたいで、なにか馴染まないのは自分だけだろうか。
水戸黄門の時代劇みたいに悪者をバッサバッサと切り捨てる場面は痛快な気分になるが
こんなに簡単に廃止とか予算削減が出来るのだったら何故もっと前に出来なかったか?
前の自公政権時代にこの発想が無かったのかと今ごろ自民党は悔しがっているだろう。
早速、科学技術の予算削減でノーベル受賞者達が噛み付いたが将来の根幹に関る案件は
事業とは異なるものでコストでなく投資のはずだ。同じ教育問題も学校の学力テストは
仕分けで縮小して、一般公務員より給与の高い教職員に関する義務教育国庫負担金には
手を付けないのも日教組などの主張に沿ったもので政治色が絡むのも納得が出来ないし
防衛費や日米安保の予算も対象となっているのは国防のあり方をどう考えているのか。
また年金一元化マニフェストに謳いながら議員や公務員の共済年金を「事業仕分け」に
入れないのは憲法で保障されている生活の権利の公平をどう考えているか説明が欲しい。
膨大な債務超過日航年金問題で揺れているが、国債と共済のバランスにも似ている。
まぁそれはそれとして「本丸」の仕分けは、身内からもっと効率良く無駄を省きたい。
例えば、国会中継を見ていると議員の数が多すぎる。しかも衆参と二つの院があって、
なかには寝ている議員の姿も映っている・・これは仕分けの対象以外の何ものでもない!
自らを律し、一院制とか、議員大幅削減のような「事業仕分け」を国民は期待している。
外交・経済が難しい昨今だが国民の目をそらすネコダマシのような気がしてならない。