小村井梅園

harimaya2010-03-18

頃は江戸時代の半ば、両国橋を渡り下総の国、
亀戸・小村井の里は多くの梅の木が植えられ
この時期は大勢の梅見客で賑わったという。
大地主の「梅屋敷」には将軍様はじめ大名や
商人が梅を愛でに訪れた記録も残されている。
安藤広重の錦絵にも「小村井梅園図」として
花暦に描かれ、花見客で賑わう梅園の景色は
華やかな江戸時代の面影を現代に伝えている。
今ではすっかり規模も小さくなって香取神社・分社の境内に僅か十数本あるだけだ。
古川柳の「珍客を花であしらう梅屋敷」は遊郭へ遊びにいった恐妻家の江戸っ子が
奥方への理由付けに詠ったとされるものだが、現代の亀戸は粋な風情はまるで無く
工場や団地が立ち並ぶ下町の雑多な景色になっている。