向島百花園

名物の萩のトンネルの時期も終わって園内は
人も疎らでとても静かな雰囲気が漂っている。
ただ園内が狭いので近所の高層マンションや
東京スカイツリーが借景になってしまうが
それでも園内の各所に多数の野草が植えられ、
とくに秋の七草や草花の美しさは素晴らしい。
江戸の昔は隅田川を挟んで国元が違っていた。
つまり東側は下総の国で西側は武蔵の国になる。
西側には江戸城をはじめ大名屋敷、社寺、そして市井の庶民の密集した町がある反面、
江戸初期の東側は果てしない武蔵野の原野の面影が色濃く漂わせていたに違いない。
その面影を現代にまで伝えてくれる場所が向島百花園で四季を通じて草花の面白さは
たとえようのない野趣に満ちて園内を散策する人の心を和ませる。