釣瓶落としの秋の夕暮

harimaya2010-10-22

自分が育った昭和初期にはどの家も井戸があり
生活用水の全てを賄っていたが、いつのまにか
水道に入れ替わって今は井戸を知る人が少ない。
釣瓶とは井戸の水を汲み上げるときに使う桶で
井戸の上の部分に滑車を付け丈夫な縄の両端に
桶を付け井戸の底の水を汲み出す。相当の力を
有したものだが昔は子供に与えられた用だった。
その釣瓶を落とすとストーンと落下する様子が
秋の夕暮の早さに例えられた。まだ明るいと思っていたら、あっという間に暗くなる。
時間に追い越されてしまったような、あわただしさと秋の夕暮の寂しさが漂うとき・・
でもそのあとに秋の夜長が待っている。さまざまな思いが巡る至福の時かも知れない。