隠居の独り言(947)

福島の原発事故から世間は節電ブームだが電気は貯蓄することが出来ないので
昼間の電気を使うことを出来るだけ抑えようと会社関係でサマータイム導入を
取り入れたところも多い・・早く出勤して早く退社をする・・それと反対に
サマータイム・・遅く出勤して遅く退社する・・これも電気消費が万遍なく
使われていいことだと思う。サマータイムといえば古い人間は(自分も含めて)
戦後の進駐軍時代を思い出す。今ではサマータイムの国権的な強制力はないが
当時の日本は連合軍の占領下だったのでGHQの命令で即座に実行に移された。
サマータイムは昼間の長い時間を有効的に楽しもうとアメリカで考案されたが
敗戦後の日本にとって戦後活性化と増産計画、無駄な電気の節約ということで
趣旨は今と変わらない。その面ではGHQの計画も正しい方向であったと思う。
なにしろ日本人には昔から先進国の制度をいち早く取り入れて大躍進しようと
旺盛な気運がある国民性なので先進国先輩のアメリカの真似は惜しまなかった。
サマータイムとは夏時間と訳され日本中の時間を一時間早めるというものだが
何故か人はサンマータイムと言っていた。サンマと引っかけた駄じゃれでなく
英語に慣れない日本人はサンマータイムと思っていたようだ。サマーの言葉は
聞いたことが無いがサンマなら知っている。人間には長く慣れた言葉の中から
何か手近の知っている言葉にくっつけて覚えていくのは習性なのかもしれない。
とにかく戦後という急激な社会の変化で特に新しい外国語の言葉は珍しがった。
自分は小僧の身なので季節には関係なく朝早くから夜遅くまで働いていたから
サマータイムには縁が無かったが、結局GHQの上から押し付けられた方法が
日本人に馴染まず今一しっくりといかずにうやむやに消えてしまった気がする。
今回は節電という目的があるので一応の成果をもたらして欲しい。