隠居の独り言(981)

野田政権が出発したが発足9日目にして早くも鉢呂経済相がつまらぬ失言で
辞任して波乱含みとなっている。それにしても言葉や行動が薄っぺら過ぎる。
そもそも大臣ともなろう人物はそれだけの節度と教養が出来ているはずだが
言葉のイロハも忘れているとは実に情けない。以前に辞めた大臣を調べると
日教組の批判」や「南京大虐殺のでっち上げ」とかの自分の信念を述べて
辞めさせられたのとはまるで次元が違う。野田新総理は就任直後に「福島の
復興なくて日本の復興はなりえない」とタンカを切ったが党内融和を優先し
小沢一郎に近い旧社会党系から選出して肝心の人物や識見の吟味が無かった。
野田総理に大いに期待したのに適材適所とは程遠い閣内人事にがっかりする。
首相は復旧復興が最優先課題というが口先だけでなく実行力を見せて欲しい。
3,11から早や半年が過ぎ被災地で最も深刻な問題は仕事が失われ収入も無く
希望が持てない事で失業保険も切れる頃だというのに将来の展望も持てない。
追い打ちを掛けるように最近の円高基調で企業は生産拠点を海外に移転する。
被災地ばかりでなく日本国全体が景気回復への大きな障害になっているのを
野田政権は真剣に考えているのか!しかも逆行するように補正予算増税
考えているという。被災地に失業者が増え不景気が必至の状況なら、むしろ
東北の企業に法人税を免除して被災地の工場建設に特別の優遇措置を計らい
海外移転をくい止めるのが政治ではないか。消費税増税とはとんでもない!
資金が足りないなら例えば政府が保有している民間会社の株式を売却すれば
(NTT株だけでも9兆円)復興の資金になる。アメリカ議員の倍と言われる
日本の国会議員の歳費を減らしてから被災地復興の増税を訴えるのが筋道だ。
野田新総理のステートメントは立派で姿勢も良いが行動が伴わない気がする。
日本の不幸はリーダーシップの欠如と場当たり的な言葉のみ空回りしている。