夜のスカイツリー
上京して半世紀余、東京はすっかり変わってしまった。
中でも下町の変貌たるや著しいもので昔の面影は無い。
ここ墨田区も商家や小工場は時と共に姿が消えている。
そこに高層建築が雨後の筍の如く立ち並び住む人達も
東京以外から引っ越してきた。外面もさることながら
内面からして同じ町と思えないほど変わってしまった。
向こう三軒両隣などの言葉も消え下町の代名詞だった
人情も薄らいでいくのも淋しく隣人はどこの人なのか？
静かだった下町も2012年東京スカイツリーの出現で
併設の東京ソラマチは多くの人で賑わい夜ともなると
不夜城のような派手なネオンまたたく繁華街に変貌し
一週間で予想外の165万人もの観光客が訪れたという。
東京の変貌は自分には浦島太郎の心境のように戸惑う。
スカイツリーの夜のライティングも青みがかった「粋」と紫がかった「雅」があるが
下町の夜空の一角に浮かぶ幻想的なスカイツリーは東京の風物詩に「美」を添えている。
