夕ぐれ

harimaya2012-06-18

今週は梅雨の中休みが続いている。
六月は最も夕ぐれの美しい月だが
たそがれの空では幾層もの夕雲が
落日を反映して美しい彩雲となり
長くたなびいてしばらく消えない。
雲が演出してくれる空のシーンも
落日が無ければ退屈なものになり
心が曇る昨今は夕ぐれに癒される。
昭和の初めに24歳で夭折した詩人・立原道造は「夕やみの淡い色に身を沈めても、
それが心よさとはもう言葉がない。啼いてすぎる小鳥の一日も、遠いむかしの物語と
唄を教えるばかり」と詠った。雲間の幾筋もの光を西洋では「天使の梯子」という。
雲間にたゆとう陽が沈めば旧暦の五月闇がやってくる。明日19日は太宰治の桜桃忌。