隠居の独り言(1069)

NHK大河ドラマ平清盛」は源平の戦いの優劣を決定付けた平治の乱が始まった。
三年前の保元の乱の舞台裏を操作して巧みに朝廷を牛耳った信西阿部サダヲ)は
政権一の実力者になったが、快く思わなかったのが後白河上皇松田翔太)側近の
藤原信頼(塚地武雄)で、徐々に信西入道と主導権争いを広げるようになっていく。
信西を倒すためには軍事力が必要で信頼は、同じく信西を嫌う源義朝玉木宏)に
接近して同盟関係を結ぶ。義朝にも現在では源氏の勢力を超える存在になっていく
平氏の棟梁・平清盛松山ケンイチ)に後れを取った焦りと嫉妬とライバル関係が
渦巻いていたことだろう。いずれにせよ後白河政権内に大きな亀裂が入っていった。
信西×反信西、後白河×二条、藤原信頼×反信頼、平家×源氏の構図が入り混じり
内戦必至の情勢になっていく。そこで平清盛の戦略は軍事力で一気に解決しようと
わざと熊野参詣の理由を付けて京都を離れて傍観することにする。時代は離れて
戦国後期の関ヶ原合戦の時も実力者の徳川家康が京都を離れて戦争の呼び水にした
状況にそっくりだ。果たせるかな、清盛の不在で一気に均衡が崩れて事態は急転!
清盛が異変を知ったのは都から遠い紀伊田辺だったが手勢を引き連れて京都に戻る。
大河ドラマ信西のもとで不遇にあった源義朝藤原信頼と結託して遂に決起した。
義朝は後白河上皇二条天皇冨浦智嗣)を奪って幽閉した後に三条殿に火を放つ。
熊野詣の途中で知らせを聞いた清盛は即座に京都へとってかえす。逃亡した信西
山城の山中に穴を掘って身をひそめる。義朝の狙いはむろん憎き信西の首であった。
一方、戻る清盛を義朝の子・義平(波岡一喜)は阿倍野で迎え撃とうと意気込んでいた。
だが義朝は清盛との決戦を望み動こうとしない。そんな中、信西は発見され自刃する。
早馬で京に戻った清盛と重盛(窪田正孝)が初めて見たのは晒された信西の首だった。
大河ドラマ平清盛」の視聴率は大河史上最低とのことだが前半は物語が複雑過ぎた。
後半は源平合戦が中心で、平家では清盛、重盛、敦盛(鈴の助)、盛国(上川隆也)等
源氏では義朝、常盤御前武井咲)頼朝(中川大志義経、弁慶(青木崇高)等々の
名高い人物のキャスティングも良く視聴率もアップするだろう。大いに期待している。