隠居の独り言(1089)

主婦は「半額セール」「底値」「激安」「タイムサービス」「閉店セール」などの言葉に
滅法弱いらしい。朝刊に挟まれてくる広告のチラシはそれらの言葉に満ち溢れている。
金銭に疎い男性と違って女性は家計の関連として倹約精神が備わっているからだろう。
自分は男だから家計にはあまり考えたことがなく、そもそも家計は女房しか知らない。
屁理屈な言い訳をすれば、いろはがるたの「安物買いの銭失い」で育ったからだろう。
といって自分も大きなことが言えない。以前「底値」と言われて買ったゴルフ会員権は
タダ同然になって大損したし、商品相場や株取引で儲かったタメシが無いのは将来を
見通す才覚が無いからで女房に頭が上がらない。何だかんだと家一軒を越える損失で
「私は5円安い野菜を買いに1キロ先まで歩くんですからね」と年中嫌味を言われる。
何年前か能登の輪島の朝市で越前ガニを買って東京に送ったら近くのスーパーの方が
値段も安くそのうえ運送費も掛かっているので我ながら経済観念の無さが恥ずかしい。
二年前にエコ減税とかで車や電気製品が対象になり庶民の購買意欲が沸いてテレビが
バカ売れしたが何のことはないエコ減税が終わったら20万もした40インチテレビも
今では半値以下で売っている。踊らされた消費者がアホなのか騙した政府が悪なのか?
数年後には消費税が10%になるという。税の論議はさておいて消費税の上がるまえの
家や車の高額商品の駆け込み需要が多いと聞くが自分の過去経験から言わせて貰えば
慌てて買うことは避けたいものだ。エコ減税の前例があるように需要が一段落すれば
業者が暇になり値段が下落するのは必定!しかも消費税10%分以上の値引きは確実だ。
諺にある「あわてる乞食は貰いが少ない」の通りで、あわてず構えるのが得策だろう。
しっかりした奥様は倹約精神が旺盛だ。子供のいる家庭では日々の生活費に頭が痛い。
子沢山の我が家は主食のコメだけでも一升が必要で食料の買い出しだけで給料が飛ぶ。
そのうえに塾など教育費が嵩む、その諸々、みんな働かないと生活の維持が出来ない。
これからの人に言いたいのは人生の幸不幸は実際にお金の有る無しに関わること大で
とくに歳を重ねる毎に生活の充実度、心の安定感が大きく違ってくる。将来の年金や
健保の社会保障は衰退の傾向だが依存度を少なくするため将来設計を根本から見直す。
それは歳を取っても稼ぐ術を見つけること、二足のわらじを薦めたい。