隠居の独り言(1116)

12月16日の衆院選で稀に見る多数の政党乱立で選挙民もどの党を選んでいいかを迷う。
でも小人数で政権が取れないと分かっているのに何故立候補するのだろうか?国民は
彼らの顔見せのパフォーマンスとしか受け取れない。どんなに立派なことを言っても
実行されなければ絵空事の言葉に終わる。極端だが選挙費用の税金の無駄ではないか。
でも大雑把に煎じ詰めれば各党の主張は、消費税、TPP、原発憲法の四つに絞られる。
どの時代でも、どの党の公約もバラ色の理想論ばかりで現実的な話は語ろうとしない。
現実をわきまえてから公約を分かり易く話してほしい。「消費税増税反対」を言うなら
「税金を上げないかわりに現在支給年金を何%引き下げ医療保険は何%UPします」と
前置きしてから主張してほしい。高齢化社会で今も毎年1兆円も支出が増え続けている。
今の景気の悪化で税収が減っているのに増税反対の発想が出る政治家の頭が分らない。
日本が天文学国債で困っている事実を候補者が語ろうとしないのは卑怯ではないか。
「反TPP」を言うなら「輸出入に関税が掛かり景気が悪くなるのは我慢してください」
環太平洋の国々が加盟していく中で日本だけが取り残され、それでなくても今の貿易は
中韓に追い上げられ日本はますます窮地に立たされる。終戦直後の食糧難の時代は
農家の保護は必要だったが過剰な税金投入はかえって農業の振興を遅らせたといえる。
でも日本の米は美味しく外米より多少値が高くも日本人なら日本の米を食するだろう。
TPPで日本の技術立国を守るより選挙の票欲しさで反対というなら無責任極まりない。
「反原発」を言うなら「火力発電の増設と天然ガス輸入の増加で電気料金は上がります」
今までは夜間は原発をベースに昼間は火力、水力で電気を賄い使用料金を一定に保てた。
原発がだめなら電気料金値上げもやむをえず産業にも影響し海外への工場移転が進む。
世界でもトップを行く日本の原発技術を信じて安全向上に努力しながら再稼働しよう。
脱原発を宣言したドイツは物価が高騰し生活レベルが低下している現状を検証すべし。
憲法改正反対」なら「日本は独立国でないので自衛隊は規定で国土は守れません」と
前置きをして尖閣も守れない自衛隊は何のためにあるのか説明してからにしてほしい。
領土問題、外交姿勢、軍隊を持つという力の背景が無ければ世界に愚弄されるだけだ。
選挙公約の心地いい言葉はもう要らない。日本が抱える内憂外患を素直に語ってほしい。
「言うは易し、行うは難し」絵空ごとの政治家の話には信じる選挙民はいないと思う。
愈々明日が公示日、平成の関ヶ原の戦いは、これからの日本が懸かっている。