小沢昭一

harimaya2012-12-14

モミジが散るように俳優で演出家、語り芸の名手で
多彩なジャンルで活躍した小沢昭一が生涯を閉じた。
ラジオの名番組「小沢昭一的こころ」は仕事中でも
流していた懐かしい彼独特の調子はもう聞こえない。
何でも興味を示して小沢流に生き返らせる語り芸は
一万回を超えたというから彼の薀蓄は半端じゃない。
老いて適度に変哲で適度に真面目で適度にスケベで
独特の飾らない人柄は人間味溢れた男の憧れだった。
番組の中で「私は電車が好きで赤坂の局通いは地下鉄を利用しています。赤坂の駅は
改札を出てから地上に出るまでの階段が62段、番組の始まった頃はスイスイ2段ずつ
登ったものですが歳に比例して今では1段ずつ70歳ころから一休みして登ります」と
番組の最後まで自分の足で登り、昭和を生きた粋で一徹な心意気を生涯に亘って貫いた。
彼の意思を引き継ぎ、できるだけエスカレーターを利用しない。わが人生の師匠に合掌。