コブシ

harimaya2013-03-21

コブシが見頃を迎えている。今年は桜も早いが梅と桜の
間を取り持つ間奏曲のように日本の春の趣を添えている。
コブシは戦時中の疎開先だった福島県白河を想い出す。
東北の冬は長いが雪の残る山の斜面にコブシが咲くと
少年は新しい発見したように嬉しくてたまらなかった。
戦時中の張りつめた子供心にはコブシこそが春であり
希望であり郷愁であった。大都市から田舎へ疎開した
人々にとって気品のある花の姿や香りに心が癒された。
1945年の春先は戦争も末期になり三陸沖に停泊の米航空母艦から戦闘機が関東地方の
都市を爆撃するために白河上空を低空飛行で通過していった。人々はおびえて森の中に
逃げ惑ったがコブシには戦争は関係なく白い花を咲かせていた。人は花より愚かと思う。