物思う秋

harimaya2013-09-26

秋は物思う季節だ。とある寺の前を通り過ぎる。
遠いむかしに、別れた相手と偶然に出くわして
よそよそしい挨拶の後、当人同士しか解らない
符丁を言われても二度と遠いむかしに戻れない。
青春、朱夏、白秋、秋は古くから白色とされた。
秋の白といえばきらきら光る新米が食をそそる。
新米を美味しく頂いて人生を白紙に返したい。
今更何を呟く、されど齢追うごと人はよごれる。
ひそやかに愛する古い都都逸は「人に言えない仏があって秋の彼岸の回り道」だが
昔も今も「恋の物語」は変わらず、失った恋を回顧する何と粋で戯作的な文句だろう。