隠居の独り言(1257)

公明党幹部が連日のように改憲集団的自衛権について安倍首相を批判している。
安倍首相が昨年以来、国連や国会などで「積極的平和主義」の旗印を掲げた以上は
日本が積極的に世界平和に関与しなければならない。アメリカは、ここ数十年以来の
ベトナムアフガニスタンイラク等の失敗で世界の警察官役を辞めたがっているが、
戦後一貫して日本が平和を享受できたのもアメリカと結んだ日米安保があったからで、
もし日米安保がなければ近隣諸国の強圧的態度に日本は単独で対抗せねばならず、
それは不可能だ。今まで圧力を防げたのも安保あってだが感じる人達が少ないのは
平和ボケに慣れてしまったのだろうか。尖閣周辺には中国公船が領海侵犯を頻度に
繰り返し島々を奪おうとしているのに対して日米安保を重要視しなければならないが
集団的自衛権行使が絶対に必要になる。それには日本が強くならなくてはならないが、
それには憲法改正しなければ辻褄があわない。平和は口だけではやってこないのを
どうして知ろうとする人が少ないのか。悲しいかな、人類の歴史は弱い者は必ず滅び
強い者が栄えて語られる。弱い者は生きる権利も保証さえ無いのがこの世の定めだ。
現在の政治が安定しているのは保守的な自民党政権が強いからだが、気になるのは
連立与党たる公明党自民党の目指す集団的自衛権には難色を示し、憲法改正
向けても慎重な姿勢を見せている。集団的自衛権とは世界の仲間入りであり戦前で
日本が孤立していったのも世界に背を向けた行動をしたからだ。今の憲法は戦争の
放棄を定めているので集団的自衛権行使に無理がある。先の沖縄名護で行われた
米軍普天間飛行場の移転先の辺野古埋め立て是非をめぐる市長選挙でも自民党
歩調を合わせない。沖縄は地政学的に日中の境目に存在しているので住む人には
気の毒だが基地の問題は避けて通れない課題だ。なかでも日々低空飛行の騒音と
危険に怯える普天間基地の周辺の人々の苦しみを考えれば辺野古への移転は概ね
良いと思うが、地域エゴと民主党鳩山由紀夫のホラ吹きに洗脳されて基地反対の
市長が当選した。これは普天間基地が固定化して危険と騒音で苦しむ多くの住民の
将来が見えない。憲法や防衛でこれほどの意見の相違があるなら自公が連立を組む
意味が見えてこない。友達だって長年付き合っても不協和音の出るときもあるだろう。
連立とは「大同小異」であり、小さい意見の相違はあっても国家基本の外交と防衛は
一枚岩にならなければならない。いっそ自公連立を解消し自民党に近い「みんな」や
一部の野党議員と手を組むときがきているのかも知れない。