隠居の独り言(1269)

今「集団的自衛権」という言葉がマスメディアで報道されている。報道を見聞きすると
大抵のマスメディアは「集団的自衛権」の言葉だけでその意味を詳しく解説もしないで
国民の大半は反対だ、としているがマスメディアはきちんと伝える義務と責任がある。
先日はノーベル賞作家の大江健三郎氏も参加する反対運動のデモ行進も行われた。
しかし大江健三郎氏に訊ねたい。先の大戦で日本は何故惨めな敗戦であったのか?
言うまでもなく日本一国だけで世界の連合軍相手に戦ったからだ。相手の連合軍は
互いに「集団的自衛権」を持ち合って枢軸軍と戦った戦勝であった。いまから考えても
ヒトラーのドイツと手を結ぶなんて、そんな遠い国と同盟を結んでも何のメリットもない。
どこで接点を持った軍事同盟なのだと政略として最低のものだったが、マスメディアも
誤った大局観で国民に伝えたから国民はこぞって賛同し、奈落の底に堕ちてしまった。
軍事的同盟を結ぶとは互いに助け合う「集団的自衛権」が必要だが今の日米安保
片務条約のようでアメリカが日本を守るが日本はアメリカを守る義務はない。今まで
それで通用してきたが今の中国の軍事的台頭の尖閣守備、北朝鮮の核・ミサイル等
もし尖閣に中国軍が襲ってきてもアメリカは空母を派遣するだけで上陸された場合は
自衛隊が自力で排除しなければならない。アメリカ兵にも自国の領土でもない尖閣
命を賭することは絶対にない。そこで「集団的自衛権」という手形が必要になってくる。
一般的な友達関係で友達が暴漢に襲われたとき、自分として何もしないで傍観できる
ものだろうか。親しい友達であれば何かに付けお互いに助け合うのが個人も国家も
同じことで、それをきちんと伝えるのがマスメディアの義務であり国民の責務だと思う。
武器輸出三原則も、時の変化にそぐわない。相手より優れた兵器の技術を同盟国で
共有しないと兵器の単価が高くなるだけでなく情報も共有できないことは日本だけが
民主国家から落ちこぼれて取り残される。今の日本は幕末に似ている。攘夷、攘夷と
志士たちが叫んでみても井の中の蛙であり世界に通用しない。与党である公明党
自民党に対し安全保障を二の次にした社会保障の充実が先というが絵に書いた餅だ。
外交と防衛は国家の根幹であるので一枚岩でないと相手に隙を突かれる。この際、
自公を解消して自民党単独政権にしたらどうか。年内にも中国軍は核弾道ミサイル
搭載の潜水艦を完成させ10年以内にアメリカの軍事力を抜くのは確実の情勢という。
つまり日本の残された時間は10年しかないことを意味している。「集団的自衛権」は
急を要する。泥棒が入って慌てて縄を作るのを「泥縄」という。