隠居の独り言(1270)

4月から消費税が5%から8%になったが、3月までは増税前の駆け込み需要とかで
商売は大いに盛り上がったが、その反動で今月はデパートやスーパーなど閑古鳥が
鳴いている。17年前の3%から5%になったときと同じテツを踏んでいることになるが
消費者だけでなくマスコミも一緒になって消費税増税反対の立場だから一般大衆は
反応する。けれど4月に入ってからも小売業としてはなにかの形で集客の手を考えて
物によっては今までより安い商品が出回るかも知れない。数年前の民主党政権時に
自動車や家電などの物品税を軽減して需要が一時的に上がったが税の軽減時期が
終わってからのほうが需要の落ち込みで商品が安くなった。家電製品などいい例だ。
長い目で見て消費税などの増税がないと国家予算が成り立たない。少子高齢化での
影響で社会保障費など何もしなくても毎年消費税1%分の多くの税金が必要になる。
関連するが国債残高1000兆円に達する借金は増税を後回しにした結果ともいえる。
調べると消費税論議は1970年頃に浮上し、当時の大平内閣が構想を打ち上げたが、
消費者、左翼系政党、マスコミなど一斉に猛反発して大平政権は総選挙に破れた。
そしてやっと1988年、竹下内閣で3%の消費税の成立をしたがこれも選挙で惨敗し
責任を取って竹下首相は辞任している。後悔先に立たずだが1970年ころの構想が
浮上した辺りから当時欧米なみの消費税を施行していたら今の天文学赤字国債
なっていなかったはずだ。選挙で当時社民党土井たか子が「ダメなものはダメ」の
迷言が喝采を浴びたがマスメディアも含め、こぞって消費税反対おろしで国家財政に
ダメージを与えてしまった。目先しか考えない国民の意識も粗悪だが、選挙目当ての
政治家、マスメディアも反省がない。日本人は消費税と聞くだけで過敏に反応するが
世界の趨勢は20%前後の消費税率は当たり前で、「払うのは嫌、貰うのは当然」との
甘えた根性は捨てよう。そして収入に見合った無駄のない日々の生活を心がけよう。
日本人の消費税に対する思いと、何故反対するのか「木を見て森を見ず」の例だろう。
国家予算の30%も国債利息を払うとは異常すぎる。30%という約30兆円の数字は
国民等しく医療費が無料になる計算だ。消費税をケチって高くついたツケともいえる。
当時、消費税そのものに反対した多くのマスメディアや左翼の意見は罪一等に値する。