四谷怪談

harimaya2014-08-18

若いころ暑い夏の夜は怪談話に耳を傾けた。
四谷怪談、牡丹灯籠、お菊井戸、鍋島騒動、
どれも怖かった。幽霊の殆どが若い女性で
男に騙され裏切られ酷い仕打ちで殺された。
女の怨みと情念は、酷い仕打ちの倍返しで
騙した男へ、呪いと怨念と共に返ってくる。
それは男が最後に気が狂うまで付きまとう。
うらめしや〜。女は男のように暴力や刃物を使わないで精神面で男を追いつめていく。
その執念の怖さ、恐ろしさは短絡的な男の比じゃない。女を騙した男の重罰であった。
以前は歌舞伎、講談、映画、寄席などで怪談話は取り上げられ夏の風物詩であった。
ここは四谷怪談の主人公、お岩さんの眠るお稲荷だが四谷怪談を演ずる俳優さんは
必ずここにお詣りしをして劇に臨んだ。それだけ深くお岩さんを愛し、恐れたのだろう。
怪談話は怖いだけでなく人情と怨念は裏返しであるという因果応報の教えでもあった。
今は遊園地のお化け屋敷だけだが、深い情愛に隠された物語があるのを知ってほしい。