隠居の独り言(1340)

来週の10日から北京でAPEC首脳会議が開かれるが、それに合わせて安倍首相は
ロシアのプーチン大統領に首脳会談を呼びかけた。プーチン大統領も快く応えたから
とにかく歓迎すべきニュースだ。ロシアもクリミア問題で世界中から嫌われてしるので
安倍首相からの呼びかけに助け舟のようで思っているだろう。それでも油断は禁物だ。
ここは日露関係の懸案を上手く纏めるチャンスであり日本外交が試される。ロシアは
目下、経済不調で日本をあてにしているようだが領土問題を解決しなければならない。
あえてプーチン大統領に戦中戦後を知る日本国民の一人として訴えたいものがある。
プーチンさん。あなたは「北方領土問題」という真実をご存知でしょうか。どう考えても
ロシアの不法はあきらかで、どうしても日本人として承服できないのです。先の大戦
日本が連合国に無条件降伏をしたのは1945年8月15日ですが,連合国の一員だった
ロシア軍は3日後の19日になって日本固有である北方領土に攻め込んできました。
白旗を掲げて無抵抗の国になってから武器を使用して軍隊が攻め込むという行為は
許されていいのでしょうか。しかもロシア軍はそのまま居座って2年後には日本人を
一人残さず追い出しその後70年になるという事実は誰がどう見ても不法占拠以外の
何ものでもないでしょう。北方領土というのは幕末のころの1855年に日本とロシアが
通好条約で四島、つまり択捉島北側に国境線が引かれ正式に日本領土とされました。
条約は、けっして戦争結果の領土変更でないことはプーチンさんもご存知のはずです。
考えれば北方領土問題とは筋書きとして単純で未だに不法占拠するとは国際条約を
順守する民主ロシアのすることではありません。しかもロシアは国際連合安保理
常任理事国です。世界平和をリードしなければならない模範となるべき大国なのです。
ロシア(当時ソ連)の不法行為は敗戦を機に始まったわけでなく日本と結ばれていた
中立条約を一方的に破って日本に宣戦布告をしました。それも二発の原爆を受けて
足腰立たなくなってからの宣戦は法も正義も人道も無視された残酷無比なものでした。
ソ連の大軍が満州に怒涛の如く攻め入り民間の日本人に対し強盗、殺戮、強姦など
暴虐の限りを尽くしました。おまけに罪のない日本人をシベリアへ連れて強制労働に
就かせ何万人も飢えと寒さで死亡させた暴挙をあなたとロシア人はどのようにお考え
なのでしょうか。一世紀前の日露戦争では日本軍は規律を守り捕虜に対して厚遇し、
戦後になって一兵残らず無事にロシアに返しました。人道として日本人とロシア人と
性格も慣習も、ここまで違うのでしょうか。そうとすれば悲しすぎます。プーチンさん。